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(就労ビザ)第10回 技術・人文知識・国際業務ビザの不許可事例


 外国人が日本で仕事する際に、就労できるビザを取得しなければなりません。その就労ビザの中に、オフィスワークをする際に、一番よく申請されているのが「技術・人文知識・国際業務」となります。申請するのが自由ですが、最終的に許可されるかどうかは入国管理局の広い裁量に委ねられていますので、申請すれば必ず通るものではありません

 申請して、いきなり不許可になると大変になりますので、どんなケースが不許可になるのか事前にある程度把握したほうがいいです。ここでは、いくつ不許可になる申請パターンをご紹介いたします。許可された場合は、理由がありませんが、不許可にされた場合、必ず理由が存在しますので、その理由を理解したうえで申請をすれば、許可に近づくことができます。

日本の大学を卒業した留学生の場合

【不許可事例】

実態がない会社で申請になりますので、虚偽申請に該当します。当然不許可となります。

(1)経済学部を卒業した者から,会計事務所との契約に基づき,会計事務に従事 するとして申請があったが,当該事務所の所在地には会計事務所ではなく料理店があったことから,そのことについて説明を求めたものの,明確な説明がなされなかったため,当該事務所が実態のあるものとは認められず,「技術・人文 知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行うものとは認められないことから不許可となったもの。


外国人でなくても十分にできる単純作業のため、不許可となります。

(2)教育学部を卒業した者から,弁当の製造・販売業務を行っている企業との契 約に基づき現場作業員として採用され,弁当加工工場において弁当の箱詰め作 業に従事するとして申請があったが,当該業務は人文科学の分野に属する知識を必要とするものとは認められず,「技術・人文知識・国際業務」の該当性が認 められないため不許可となったもの。


同じ仕事において日本人よりはるかに低い報酬で雇用されているので、不許可となります。

(3)工学部を卒業した者から,コンピューター関連サービスを業務内容とする企 業との契約に基づき,月額13万5千円の報酬を受けて,エンジニア業務に従 事するとして申請があったが,申請人と同時に採用され,同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことから,報酬に ついて日本人と同等額以上であると認められず不許可となったもの。


前の在留期限中に素行が不良であったため、不許可となります。

(4)商学部を卒業した者から,貿易業務・海外業務を行っている企業との契約に 基づき,海外取引業務に従事するとして申請があったが,申請人は「留学」の 在留資格で在留中,1年以上継続して月200時間以上アルバイトとして稼働 していたことが今次申請において明らかとなり,資格外活動許可の範囲を大き く超えて稼働していたことから,その在留状況が良好であるとは認められず, 不許可となったもの。



日本の専門学校を卒業し,専門士の称号を付与された留学生の場合

【不許可事例】

同じ仕事において日本人よりはるかに低い報酬で雇用されているので、不許可となります。

(1)日中通訳翻訳学科を卒業した者から,輸出入業を営む企業との雇用契約に基づき,月額17万円の報酬を受けて,海外企業との契約書類の翻訳業務及び商 談時の通訳に従事するとして申請があったが,申請人と同時に採用され,同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額20万円であることが判明したた め,日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けているとは いえないことから不許可となったもの。


専攻科目と従事する業務内容の関連性が認められず、不許可となります。

(2)声優学科を卒業した者が,外国人客が多く訪れる本邦のホテルとの契約に基づき,ロビースタッフとして翻訳・通訳業務に従事するとして申請があったが, 専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。


(3)国際ビジネス学科において,英語科目を中心に,パソコン演習,簿記,通関 業務,貿易実務,国際物流,経営基礎等を履修した者が,不動産業(アパート 賃貸等)を営む企業において,営業部に配属され,販売営業業務に従事するとして申請があったが,専攻した中心科目は英語であり,不動産及び販売営業の 知識に係る履修はごくわずかであり,専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。


外国人でなくても十分にできる単純作業のため、不許可となります。

(4)国際情報ビジネス科を卒業した者から,本邦の中古電子製品の輸出・販売等を業務内容とする企業との契約に基づき,月額18万円の報酬を受けて,電子製品のチェックと修理に関する業務に従事するとして申請があったが,その具体的な内容は,パソコン等のデータ保存,バックアップの作成,ハードウェアの部品交換等であり,当該業務は自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とするもとのは認められず,「技術・人文知識・国際業務」に該当しないため不許可となったもの。


前の在留期限中に素行が不良であったため、不許可となります。

(5)専門学校における出席率が70%である者について,出席率の低さについて理由を求めたところ,病気による欠席であるとの説明がなされたが,学校の欠席期間に資格外活動に従事していたことが判明し,不許可となったもの。


法務省が公表した「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」により、一時的に在留資格該当性のない活動があったとしても問題がありませんが、研修を名目として,恒常的に法定外業務に就いている場合、不許可となります。

(6)ホテルにおいて,予約管理,通訳業務を行うフロントスタッフとして採用さ れ,入社当初は,研修の一環として,1年間は,レストランでの配膳業務,客 室清掃業務にも従事するとして申請があったが,当該ホテルにおいて過去に同様の理由で採用された外国人が,当初の研修予定を大幅に超え,引き続き在留資格該当性のない,レストランでの配膳業務,客室清掃等に従事していることが判明し不許可となったもの。


翻訳・通訳業務の場合、その翻訳通訳業務が常時に発生するものではなくて、業務量として認められず、不許可となります。

(7)通訳・翻訳専門学校において,日英通訳実務を履修した者が,ビル清掃会社において,留学生アルバイトに対する通訳及びマニュアルの翻訳に従事するとして申請があったが,留学生アルバイトは通常一定以上の日本語能力を有しているものであり,通訳の必要性が認められず,また,マニュアルの翻訳については常時発生する業務ではなく,翻訳についても業務量が認められず不許可となったもの。


(8)翻訳・通訳専門学校において,日英通訳実務を履修した者が,翻訳・通訳業務に従事するとして申請があったが,稼働先が飲食店の店舗であり,通訳と称する業務内容は,英語で注文を取るといった内容であり,接客の一部として簡易な通訳をするにとどまり,また,翻訳と称する業務が,メニューの翻訳のみであるとして業務量が認められず不許可となったもの


不許可になった場合の対応

 就労ビザを申請して、一度不許可になっても、当事務所では再申請にて許可できる場合があります。(もちろん、1回目の申請より難易度が上がりますが。)

 まず,お客様にヒアリングし、提出した資料を検証します。そして、一度入管への不許可理由確認も行います。例えば、説明書類の不備・不十分による不許可、雇用企業の経営状況が赤字による不許可などであれば、説明書類を作り直したり、追加の書類を出したりして、再度申請することでビザが許可される可能性が十分にあります

 そして、例えば、素行不良などの原因で不許可となり、そのまま就労ビザへの変更が基本的に許可が取れない場合でも、いったん出国してから「在留資格認定証明書交付申請」の方法など対応可能ですので、諦めずに一度当事務所までご相談ください。


初回相談は無料です。

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